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活動報告

鈴木あい特任准教授が行った福島県での実証実験の成果が国際誌に掲載されました。

 福島県警察犯罪抑止対策アドバイザーを務める鈴木あい特任准教授が、滋賀大学データサイエンス学部 島田貴仁教授(当時・科学警察研究所犯罪行動科学部)、福島県警察本部生活安全部生活安全企画課と共同で、ナッジ理論に基づく 4 種類のメッセージがデザインされた看板・横断幕を県内の 14 の公共駐輪場に設置、自転車の施錠率に与える影響について検証しました。

 実証実験の結果、4 種類全てのメッセージが、自転車の施錠率上昇に有意な影響を及ぼしていたこと、その中でも互恵性とコスト認知をもとにしたメッセージが施錠率上昇に特に効果的であったことが明らかになりました。今回、本研究の成果が、犯罪学・刑事政策に関する国際誌International Criminal Justice Reviewへの掲載が決定しました。

Suzuki, A., & Shimada, T. (2025). Impact of Antitheft Nudging Signage on Bicycle Owners’ Locking Behavior: A Quasi-Experimental Study in Rural Japan. International Criminal Justice Review. https://doi.org/10.1177/10575677251405837

 本実証実験から、防犯カメラ等と比較してコストがかからない対策である、ナッジ理論を活用したメッセージを用いた看板・横断幕の設置の有効性について示されました。本実証実験をきっかけに、施錠促進を目指した駐輪場での同様の取り組みは、全国各地に広がっていますが、日本における研究者と実務家の協働による犯罪予防に関する実証実験の成果が国際誌への掲載というかたちで、世界に発信されたのは初めてです。

 本研究は、文部科学省世界で活躍できる研究者戦略育成事業「学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS)」の支援を受けて実施されました。